犬の鼠径(そけい)ヘルニア

ワンちゃんの鼠径ヘルニアです。

 

ヘルニア内容物はお腹の中に全く戻らず、痛がっていたので手術することになりました。

皮膚を切開し、ヘルニア嚢(ふくろ状のもの)を剥離し、露出させたところです。

 

この状態でもヘルニアの内容物は全くお腹の中に戻ってくれないので・・・

 

 

袋を切開して中を確かめたところ、子宮がヘルニアの中に飛び出していて、子宮広間膜の脂肪が浮腫を起こしてボリュームを増してお腹の中に戻らない状態になっていました。

 

この状態では、子宮を摘出することはできても、卵巣を摘出することができないので、もう一カ所ヘソ近くを切開してお腹の中にアプローチして、卵巣と腎臓がつながっている部分を結紮、離断しました。

そんでもって、ヘルニアの穴の方から左右の卵巣のついた子宮角を引きずり出して、無事子宮卵巣を摘出し・・・

最後にヘルニアの穴を縫合して終了です。

 

これで痛みからも開放されるでしょう。

 

 

 

鼠径ヘルニアは今まで幾度となく手術していますが、子宮が入り込んで戻らなくなっていたのは初めてでした。